息子は3歳でもうすぐ4歳になります。
色々な言葉を勝手に覚えていきながら、たくさん話すようになってきて言葉の発達も成長してきたな!
と感じることが多くなってきました。
通っている保育園のパパママからこんな悩みの相談を受けました。
だんだんおしゃべりになってきたけど、なんだか発音が気になるんだよね。
テレビを「テベリ」って言ったりするんだよ。
救急車を「ちゅーちゅーしゃ」って言うの。
何回も「違うでしょ?って直すんだけどね」…
こんな悩みをもつパパママは多くいるかと思います。
この記事では以下のポイントで解説していきます。
- 子どもの発音が間違っている理由とは?
- 発音は一定の年齢になったら獲得できる。
- 発音の誤りの種類は?
- 間違えて発音している場合の対応方法。
この記事を読めば、ポイントが整理されて、悩みが解決できますよ。
言語聴覚士歴11年の私が解説していきます。
子どもが発音を間違える理由とは?
年齢を重ねるにつれて、たくさんの言葉を話すようになってくるかと思います。
話す言葉が増えてくる2歳以降で発音の間違いについて聞かれることが多いです。
見極めるポイントとしては2点です。
- 誤学習してしまった場合
- 正しい発音のしかたを十分に獲得できていない場合
詳しく見ていきましょう!
舌の動きを具体的にイメージする
「かきくけこ」と発音した場合、舌は口の中のどこに当たっているか分かりますか?
真ん中よりも舌の後方が持ち上がって当たっていませんか?
「たちつてと」と発音した場合、同じようにどこに当たっているか分かりますか?
今度は舌の先が、上の前歯の歯ぐき付近に当たっていませんか?
下に図示しましたが、音によって舌がぶつかる位置が異なります。
た行は前方、か行は後方です。
舌が口のどこに当たるかによって発音の違いを作っています。
イメージはつきましたか?
無意識ですが、会話では様々な言葉をたくさん話しています。
舌が一生懸命動いてくれているので、会話が成り立ちます。
発音を誤学習している場合とは?
専門的に細かく分析すると、たくさんになってしまいます。
お口や舌の構造の問題は除いて、ポイントは以下の2点に絞りたいと思います!
- 音を聞き分けられているか?
- 後方の音なのに前方の音に変わっている場合など
【耳で音を聞き分けられているか?】
音の区別は通常目ではなく、耳で行いますよね?
ですので、「き」を「ち」と認識している場合は、まずは聞き分けるトレーニングをしていかなければなりません。
以下は、一部の例です。
「キリン」これって○かな?×かな?
「チリン」これって○かな?×かな?
などと聞いてみて、○×の区別ができているようであればOKでしょう。
しかし、両方とも○と答える場合は、「キ」と「チ」の区別があいまいとい判断します。
【後方の音なのに前方の音に変わっている場合】
前述しましたが、舌の動きをイメージしてみましょう。
「キ」はか行ですので、後方の位置になります。「チ」はた行ですので前方の位置になります。
このように、本来であれば舌は後方に動かないといけないのに、前方に動いた場合。
舌が誤った運動の学習をしているため、トレーニングが必要になります。
正しい発音のしかたを獲得できていない場合
発音の獲得には、一定の年齢のに達しないとうまく言えないといわれています。
母音は子音より獲得が早く、約3歳までにはほとんど実用的なレベルになるといわれています。
子音は6-7歳までに完成し、実用的になるといわれています。
発音の獲得について、簡単にポイントをまとめていきます。
- 母音から獲得する(あいうえお)。
- パ・マなどの唇の音を獲得する(1~5歳)。
- タ行・ナ行・カ行が獲得される(2~4歳)。
- サ行・ラ行の舌先の細かい動きをする音が獲得される(5~6歳)。
発音が獲得されるまでの間、子供は自分の獲得できた音のレパートリーの中から近い音を選択して話すことが多くなるので誤りが目立ちます。
発音の誤りの種類について
代表となる発音の誤りの種類は以下の通りです。
- 音位転換(テレビ→テベリ)
- 同化(はっぱ→ぱっぱ)
- 音節の脱落(やかん→かん、ひこうき→こうき)
- 音の付加(でんき→でんきん)
これらは、言葉の発達の過程での誤りがほとんどになります。
年齢が発達していくとともに、正しい子音が獲得されて言えるようになるといわれています。
あなたのお子さんはどのタイプに当てはまりますか?
心配な場合は、上記のタイプに当てはめて考えてみましょう。
間違えて発音している場合のポイント
発音が間違っている場合に、指摘はしていませんか?
子どもにとって、直接間違いを指摘したり、何度も言い直しをさせたりすることは、話すことの自信を失ってしまうことや、逆に誤った発音を学んでしまうことにつながってしまいます。
言い誤った場合は、「違うね?」「間違っているよ?」の指摘はいけません。
ポイントは正しい音を繰り返し聞かせてあげることです。
発音の練習で子どもに実践していること
発音の練習のポイントは以下の3点になります。
大切なポイントになるので、確認してきましょう。
- 言い誤りを修正しない。
- 子どもの言葉を真似て、修正して正しい音を聞かせる。
- 子どもの言葉を広げて返すこと。
言い誤りを修正しない
発音の獲得は、一定の年齢でできるということを記載しました。
まずは、獲得できている年齢かどうかをお子さんの年齢に合わせて確認してみて下さい。
誤りを指摘することは、子どもにとって「自信の喪失」や「意欲の欠如」につながることがほとんどです。
言い誤りを指摘することで、その子がストレスを感じるようになりますので、それは避けます。
ここはとても大事なので、言い直しや指摘をしていた場合は、すぐにやめるようにしましょう。
子どもの言葉を真似て、修正して正しい音を聞かせる。
息子は3歳半になります。言い誤ることが多いですが、例として挙げてみます。
例)テレビ→テベリ 必ず間違えます・・・
ですが、ここで「違うでしょ?テレビ、テレビって言ってごらん?」これはNGです。
正しいのは?
「あー、テレビね?テレビの何が見たいの?テレビのリモコン持ってきて?」
などと、正しい音をしつこいくらいに、会話に入れることです。
こうすることで、正しい音は「テレビ」なんだと気付いて修正できることがほとんどです。
子どもの言葉を広げて返すこと
先ほど、息子の「テレビ」にもありましたが、こどもは単語での問いが多いです。
これは言葉を知らないことがほとんどで、ボキャブラリーに乏しいからです。
ですので、「テレビの何が見たいのかな?どのチャンネルかな?ワンワンやってるか見てみようか?」
などと、こちらが意図を汲み取りながら誘導することで、たくさんの言葉を聞かせることができます。
こうすることで、名詞だけではなく動詞の使用についても理解を深めていきます。
大切なのは、「+α」で付け加えて返すことがポイントになります。
発音の間違いのポイントと対応方法についてのまとめ
- 発音の獲得は年齢によって差がある。
- まずは発音の獲得年齢かどうかを確認する
- 誤り方はどんな種類かを確認する。
- 言い間違いの指摘はNG。正しい音を聞かせてフィードバックする。
- 心配であれば、専門家の検査を受ける。
以上になります。
発音が気になる方々は多いかと思います。
まずは、お子さんが何歳なのか?
それを当てはめながら発音の獲得年齢を気にしてみましょう。
不安であれば、市町村の健康福祉課などに相談する。
もしくは小児科やリハビリのある病院、特に言語聴覚士がいるところがないかを確認してみましょう。
お住まいの地域で、「○○都道府県 言語聴覚士協会」などで検索すると所属している病院などが掲示されていると思います。
「日本言語聴覚士協会のHP」で近隣の病院などを確認しても良いかと思いますよ。
不安な方は、直接DM頂いても構いませんからね。
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