こんにちは。
kanaeriです。
前回のブログでは、読み聞かせのねらいについて記載しました。
今回は、読み聞かせを行うことで、どのような効果が得られるのかについて、検討してみました。
子育てや育児の中では、読み聞かせを行う場面も数多くあると思います。
実際に大学院時代に使用した、参考文献や調べた論文なども引用しながら解説していきたいと思います。
ぜひ、ご夫婦で読んでもらいたいです。

読み聞かせの効果
- 親子のスキンシップ
- 集中力が高まる
- 感情を豊かにする
- 言語表現やリテラシーを育む
- 認知能力の促進を図る
これが、前回の読み聞かせのねらいになります。
言い換えてみれば、これらが読み聞かせで得られる効果になります。

内生的・外生的な分類
読み聞かせを行うことで、内生的意義・外生的意義の分類があるといわれています。
内生的
本を読むこと、その世界を楽しむことや内容を理解することそのものから生じる意義。
読み聞かせにおいては本の世界を通じた親子の触れ合いをさす。
外生的
本を読むことの結果としての所産や効用が、他の目標の手段としてはたらくという意義。
読解力や語彙力をつけるなどの認知的所産を期待するもの。
参考文献:秋田喜代美, 無藤隆.(1996)幼児への読み聞かせに対する母親の考えと読書環境に関する行動の検討.教育心理学研究1996;44 , 109-120
今回は、認知能力の促進という観点から、就学以降にもどう関わっていくのかについて、検討していきたいと思います。
認知能力の促進について
外生的な意義は上記のように文献内でも古くから定義されています。
認知能力のなかに、「ワーキングメモリ」(以下WM)という能力があります。
これは、アラン・バドリーという人が定義しています。
情報の保持に集中する短期記憶の概念を発展させ、読解・推論・学習などの高次認知的活動をするうえで必要な、情報の保持と処理・操作を同時並列的におこなう機能。
これらは、IQ=知能指数
との関連が高く示されており、WMが高いとIQも有意に相関するといわれています。
つまりは、
WM=学業成績への影響があるといわれています。
4歳以降で読み聞かせが減りやすい状態ともいわれています。
ですので、しっかりと読み聞かせをしながら、WMなどの認知能力を高めることが出来るように、習慣化して実践していくことが大事かと思われます。
幼児期の読み聞かせが学業成績に影響を与える可能性があるという点について、認識しておきましょうね。

ワーキングメモリと学業成績
参考文献:雨越康子、森下正修.幼児期の集団および家庭における絵本の読み聞かせと認知能力.日本教育工学会論文誌 2020;43(4),339-350
研究の一つで、上記の論文では、長期的な読み聞かせを行い、語彙力だけではなくWMが向上すかどうかについて、検討しています。
結論としては・・・
語彙力は、既存の語彙をベースとして、未獲得な語彙の獲得が促進される。
WMは、記銘や想起を繰り返し継続することで能力が向上する可能性はあると思われる。
という結果になっています。
まとめ
- 読み聞かせは内生的意義、外生的意義の2つがある。
- 外生的意義の認知能力の促進に効果がある。
- IQとWMは相関があり、学業成績に関与する。
以上になります。
少し専門的な内容にもなりましたが、読み聞かせは単に語彙力やスキンシップだけにとどまらないで、それ以降の学習を伸ばす要因になるという点について、分かっていただけたら幸いです。
なるべく早い段階で、お子さんに絵本の読み聞かせをたくさん行っていくと良いと思います。
何度も記載していますが、「習慣化」が大事です。
おすすめは、就寝時にきちんと時間を決めて読んであげることが大事になります!
ぜひ、思い立ったらすぐ行動に移しましょう!
それではまた。

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